サンティアゴ巡礼の道をゆく

2018年5月カミーノ プリミティボ、2018年夏に北の道(イルンからビルバオ)2018年11月サンサルバドル。2019年3月北の道(ビルバオーサンタンデール)。次は何処を歩くか検討中。欧州在住。

第11日 アズーア〜ペドゥルーゾ 20km

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宿の朝ごはんです。こういうドーナッツ、このカミーノ の間に一体何個食べたことか。

 

曇っていて割と涼しい感じです。明日にはサンティアゴに着くし、誰かが言ってたようにサンティアゴに着くにつれて景色は綺麗じゃなくなる、というのは本当だし、足の調子も良くなってきた(今更!)のでガツガツ歩きます。

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奥に見えるのが昨晩泊まったアズーアの街。

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30kmを切りました。5kmくらいずつ写真に撮ってオビエドの友達に送っていました。それがすごいモチベーションでした。

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まあ、人がいっぱいです。

フランス人の道から来た人たちはアメリカ人とかカナダ人とか多いような気がしました。カミーノ はもう何度もやったという人たちや、SJPPから始めたという人が多かった気がします。そして何故かそういう人たちの多くは、自分探しみたいなことをやっていて、その繋がりで私にも「どうしてカミーノ を歩こうって思ったの?」と聞いてきます。プリミティボの人たちは割と凄い山登りが好き!みたいな純粋な自然派が多かったので、そんな面倒臭い(失礼)ことを話す必要がなかったので、私は少し面食らいます。名前も知らない人に「離婚して気持ちが塞がっていたから何とか打破しようと思ってるんだ!」みたいなことを私だったらペラペラ話せません。だから私は適当に「仕事を休職してて時間があるから」みたいなことを話したら、相手の興味を引かなかったのか「ブエンカミーノ 」と言われて去られてしまったこともあります。

 

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20kmの間にカフェに2回寄りました。超快適。もうあんな未開なプリミティボには戻れないわー、と思いつつ、みんなのことが恋しくてついついキョロキョロしてしまいますが、道すがらでは誰にも会えませんでした。

多くの人がサンティアゴに到達する前日にとまるペドゥルーゾというところが今日のゴール。最後の2kmくらい結構辛かったのですが、カナダ人の夫婦と一緒になって話しながら歩いたらあっという間でした。プリミティボの時は、誰かと話しながら歩くということはあまりなかったので(そもそも人とあまり会わない)新鮮でした。

泊まったのはこちら。

https://www.pension23.com/galeria.php

受付のヒップスター風のお兄さんに「これが初めてのカミーノ ?」と聞かれたので「初めてで多分最後だと思います。すっごい辛かったから」と真顔で答えたら、驚いた顔で私のクレデンシャルの最初のスタンプを確認して「あゝ、オビエドから来たんだね...。それは大変だったでしょう」とやっぱりしんみりされてしまいました。

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個室で風呂トイレ共同。質素な部屋ですが、やっぱりここも「新しくて清潔」。壁が薄くて隣の部屋のアメリカ人がスカイプで家族と話しているのが丸聞こえでしたが。

 

お腹が空いたので、ちょっと感じのいいレストランに入ると、大きなテーブルがあって、相席で何処かに座らなければいけません。先客は二組。おっさんばかり5人くらいのグループと、カップルと男の3人組。私が一瞬迷ってから3人組の隣に座ると、早速話しかけられます。カップルはスペイン人で、男はオーストリア人。私がドイツ語で返事をすると、ウィーン男は僕もちょっと日本語ができるんだ!と言ってましたが、この人はとてもスペイン語が上手で、小さなことも通訳してくれました。カップルはレオン在住、ウィーン男はブルゴスから始めたとのこと。食べ終わるタイミングがほぼ一緒だったので、2軒目も行こうぜ!と言われてみんなで2軒目でビールを飲みました。疲れていたし、買い物もしたかったのでお先に失礼して近くのスーパーに入りました。

 

レジで会計を済ませていた人を見てびっくり。2日目に少し一緒に歩いたドイツ人のおじさんでした。ルーゴに着くのが私より1日早い予定だったのもう会えないかと思っていたから、嬉しくて駆け寄ったら向こうも大喜びしてくれました。「何度もあなたのことを考えたの」と言ったら「僕もだよ!」と言って、二人で目に涙を浮かべて抱き合って、お互いのプリミティボがどんなだったか報告し合って、お互いの頑張りを讃えるためまた大きなハグをしました。

 

私が何度も食べたドーナツというのがこちら。

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スペイン人はどんだけドーナツが好きなんだというくらいスーパーではドーナツが売られています。これがフランスだったらマドレーヌとかクレープとかなのに。私はカミーノ を歩く前から、出張でスペインに行くとホテルの朝ごはんでドーナツがあるのが嬉しかったのですが、流石に今はしばらくドーナツは食べたくないくらい食傷気味です。

 

宿に戻るときに、隣の隣のアルベルゲの軒先でブラジル人の片割れがタバコを吸っていました。彼は英語があまり話せないのですが、強面なのにニコニコ笑って握手をしてくれました。もう一人は中にいるよと教えてくれたので、中に入って再開を喜びました。足がすごく痛かったけど私たちものすごく頑張ったね、と。

 

次の日は最後の18kmに挑みます。