第10日 アス・セイサス〜アズーア 28.0km
この日の朝は素敵な朝ごはんで始まりました。
ご主人の方がサーブをしてくれます。今日は何処へ行くのか、そもそも何処から来たのか、という話をしていて、オビエドから来た、と言ったらご主人は驚いて「さぞかしきつかったでしょう」と同情の眼差しを向けられました。「ここからは1kmは上り坂だけどあとは楽だよ」という言葉を信じて出発。
この日一番の景色です。黄色い花が自生していてなだらかな舗装された道で気持ちいい朝です。足は痛いけど許容範囲。
森の道。
途中にあった教会。ここでブルガリア人カップルと会いました。みてみて、足が良くなったと飛び跳ねてみます。彼らは明日にはサンティアゴに着く予定だということで私のペースと合わなくなってしまいます。もう会えないかもしれないから、とメアドを交換して一緒に写真を取りました。トレッキングが好きな素敵なカップルで、多少遅くついても休み休み楽しく行くわ、と言いつつかなりの距離を歩けるツワモノでした。
とりあえず、メリデという街を目指します。この日の中間地点です。ここでプリミティボはフランス人の道と交わります。いつかスペイン人が言っていた「ここから雰囲気が変わる」というメリデ。なんだか緊張。
メリデの教会。メリデの街に入る手前の道を歩いていたら、おばあさんが家から出て来て、スーパーの袋に入ったケーキを差し出してくれました。ありがとうと言って、袋に手を入れてケーキをちぎろうとしたら「全部あげるから!」と直径22cmくらいのホールケーキの半分をくれました。アーモンドプードルが入ったずっしりしたケーキで、口の中の水分は持っていかれますが、甘すぎず美味しいケーキでした。
ちょうどフランス人の道と交わるポイントで、誰かが私の名前を呼ぶのでみてみたらブルガリア人カップルがカフェにいたので、私も一緒にコーラを飲みました。人がどんどんカフェの前を歩いて行きます。すごい人数です。
フランス人の道と交わった途端、すごい落書きです。ひどい。何はともあれ50kmを切りました。
メリデを過ぎてから驚いたことは、やはり人の多さ。プリミティボの時は、何時間も一人で歩くこととか普通だったのに、この日からは必ず誰かが前後にいる状況。それでも今年はまだ人数が少ないと昨晩の宿のご主人が言っていたので一体普段はどんな人混みなんでしょうか。
そして、人数が多いことと連動して、本当にちょくちょくカフェがあります。今までも通ったような田舎の集落や街道沿いの村に行けば必ず何軒かカフェやアルベルゲがあります。今まで水の心配や、トイレの心配をしながら歩いたり、みんなで食料を分け合ったりしていたのは何だったんだ、というくらい何の不安もなく歩けます。苔生した石の上で休憩なんてする必要もありません。
唯一撮れた人が写り込んでいない森の道。
あと5kmということろで、派手に転んでしまい、両手の平と両膝に負傷してしまいます。ここまでお世話になったCWXに穴を開けてしまい、懐が一番痛い感じでした。が、手の平も結構痛かったので、水筒の水で洗い流して手ぬぐいを巻きつけ歩き続けます。ポールを持つ手がじんじんします。
あと40km。
このすぐ後でアズーアという街に着きます。
泊まったのはこちら。THE WAY HOSTEL ARZUNA
新しくて、清潔、な宿です。
部屋はシングルベッドが5台ある部屋で、一泊15ユーロ。キッチンはありませんが、電子レンジと水道くらいの最小限の設備はあります。でも、小さな街なのでゆっくりレストランで食べるのもいいでしょう。スーパーもすぐ近くで便利です。
夜はこのホステルから一番近いピザ屋でいただきました。写真ではわかりませんがかなり大きいピザです。B4くらい? 生ハムとゴルゴンゾーラのピザなのですが、やっぱりゴルゴンゾーラが私にはパンチが弱くて、アストゥリアスのカブラレス が食べたいなと思いながら完食。
とても疲れていたので、まだ日が沈まないうちに(21時くらい)アイマスクと耳栓をしてさっさと寝ました。