サンティアゴ巡礼の道をゆく

2018年5月カミーノ プリミティボ、2018年夏に北の道(イルンからビルバオ)2018年11月サンサルバドル。2019年3月北の道(ビルバオーサンタンデール)。次は何処を歩くか検討中。欧州在住。

カミーノ サンサルバドル 第1日目 レオン〜ラ・ロブラ(27km)

冬場は明るくなる時間が遅くて焦ります。8時頃やっとうっすらと明るくなります。

でも初日はレオンをしばらく歩くので暗くても問題なし。7時半ごろホステルを出ました。

 

ここが実質的なスタート。左に行くとサンティアゴデコンポステーラ、右に行くとオビエド。左に行く巡礼者をふたり見かけました。

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カミーノ デサンサルバドール。私の歩く道。

オビエド。私の目指す町。

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しばらく川に沿って北上します。そこから右の高台に逸れ流のですが、新興住宅地を進みます。宅地造成とかしている殺伐としたエリアで、日曜日で作業もしていなくて、建設中の家屋が並んでいて、ひとけがなくてちょっと侘しいです。しかも、寒いし、曇ってるし。ずっと車道の脇を歩かされるし。と、ブツブツ思いながら歩いていると、レオンをやっと抜けて郊外の小さな町を通り抜ける時に、やっと!日曜日でも開いているカフェを見つけて駆け込みました。トーストとカフェオレで朝食です。カフェのおじさんがクレデンシャルにスタンプを押してあげるよ!と言ってくれて、しかも日曜日でも開いている近くのスーパーも教えてくれました。

お腹もいっぱいで少し気分も盛り返したところで、舗装道路が突然終わりました。

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ここから小高い丘を登って、林を抜けて行きます。

この頃になると少し天気が回復して、丘の上から晩秋の最後の紅葉が見えてとても気持ち良く歩けました。

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サンサルバドルとかエルサルバドルというのは「救世主」つまりイエスキリストのことを指します。なので、道すがらキリスト生誕のオブジェがおいてあるのを見かけました。

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Ha nacido el salvador。クリスマスの歌でもある「牧人ひつじを」にもある「主イエスは生まれぬ」ですね。英語だと Born is the king of Israel ですが。

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こういうポストには、思いを綴るノート、ファーストエイドキット、ちょっとしたお菓子、水などが入っています。

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日曜日ということもありマウンテンバイクに乗った人たちを何人かみかけましたが、巡礼者は誰も見ませんでした。

 

この丘を降りてまた川沿いにしばらく歩いたところで、Cascantes de Albaという村で開いているカフェを見つけたので一息つきました。日曜日で家族づれで賑わっている中かなり場違いな私。そそくさとカフェを出ようとしたら、お客さんの一人が

 

Buen Camino!

 

と後ろから声をかけてくれました。とても嬉しかったです。そこからLa Roblaという町までは距離的には大したことないのですが、(火力?原子力?)発電所とコンクリート工場の間を抜けて行く、面白みのない道で、しかもそこで雨が降り出し、どんどん強くなって行くので歩きにくかったです。今回は雨具だけではなくて、折りたたみ傘も持っていたので大活躍しました。雨でも舗装された道や町を歩く時にはレインウェアだけよりも傘をさしてるいた方が体力的にも精神的にも楽です。

 

La Roblaのアルベルゲは町の外れの公園の中にあり、ドアに貼ってある電話番号に電話して、着いたので鍵開けてください!とお願いしたら、鍵は空いてるから入ってていいよー。後でスタンプ押しに行くから!とのこと。

 

まさかとは思っていましたが、宿泊する巡礼者は私だけ!16台ベッドがある中で選びたい放題!キッチン使いたい放題!オイルヒーターもベッドの脇に置いて独占!

 

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夕方雨が上がったので、町の中にあるパン屋で食事になりそうなパンを買いに行って帰ってきたら、hospitalenoが来ていました。この人が

本当に本当に本当にいい人で!!

私が日本人と知ったら「最近ハルキムラカミを何冊か読んだよ。いいね。好きだな。」と話を始め、今後の日程についても相談に乗ってくれました。そのくらいの荷物だったら明日はどこまで歩けるとか、明日泊まる町でご飯を食べるときは事前にここに電話しなさいとか、朝ごはんはどこそこのカフェがいいとか。

彼自身hospitalenoでありながら巡礼者でもあるらしく、いろんな道を歩いた話をしてくれました。私もプリミティボと北の道(の一部)を歩いたと言ったら、サンサルバドルはプリミティボより難しくないから大丈夫、と励ましてくれました。

サンサルバドルはプリミティボよりも標高の高いところまで登りますが、日数も少ないし、峠を2つ超えればいいだけだから、と。

多くの人はカミーノ とフランス人の道がイコールであるけれど、フランス人の道だけがカミーノ ではない、と言っていたその人の言葉こそ私がせっせとフランス人の道以外を歩く理由でもあるのです。

 

明日のアルベルゲの去り方を説明して鍵を残して彼は去って行きました。

 

今日の道自体がわかりやすかったせいもありますが、マイナーなカミーノ の割にマーキングがしっかりしていて全く迷いませんでした。黄色い矢印、黄色い矢印、と思いながら歩いていると、紅葉の黄色い葉っぱまで矢印に見えてきます。5月は初夏の黄色い花が矢印に見えたものです。

 

長い長いひとりぼっちの夜をたくさん毛布をかけてぐっすり寝たのでした。