サンティアゴ巡礼の道をゆく

2018年5月カミーノ プリミティボ、2018年夏に北の道(イルンからビルバオ)2018年11月サンサルバドル。2019年3月北の道(ビルバオーサンタンデール)。次は何処を歩くか検討中。欧州在住。

第7日 フォンサグラダ〜カダボ 22.6km

私はほとんど全ての宿を事前に予約してたし、5月のスペインは日が長いので行動時間はたっぷりある、と思って割と朝の出発は遅い方でした。宿の朝ごはんが7時とか7時半とかからなので、出発も7時半とか8時とか。でも多くの巡礼者は、早く目的地について早く宿を確保する、という目的からものすごく出発が早かったです。5時とか6時とか。

 

この日も私は(早く目は覚めていたのですが)7時くらいに起き出して、ドイツ人グループと朝ごはんをたっぷりゆっくり食べました。昨日一緒にご飯を食べた人たちは、私の目的地カダボの次の街であるカストロベルデに行くとのこと。そしたら、もう一人別のドイツ人が私と同じところに行くというので一緒に歩くことにしました。

張り切って外に出てビックリ。霧です。

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歩き始めますが、カミーノ の表示も見落としそうなくらい視界が悪く、一人だったら心細かったと思います。初老のそのドイツ人は、やたらとガタイがいいわりにとっても几帳面で、聞いてみたらそれもそのはず、元警察官だったとか。たまたま私が住んだことがある街の人だったので色々話が弾みました。

私の足は、小指以外に、足底筋膜炎が酷くなって土踏まずの縁が痛みます。ゆっくりしか歩けなくてごめんなさい、というと、元警官も数年前にヘルニアの手術をしたせいでリュックサックの重さで腰にきているからこのくらいのスピードでちょうどいい、と言ってくれました。

霧が濃くなったと思ったら霧雨になり、霧雨が強くなったら本格的な雨になりました。景色どころか曲がる道も見えないくらい。

雨のせいでこの日は全然写真を撮っていません。

半分くらい歩いたところで入ったレストランで、元警官が「今日は天気が悪くて視界も良くないし、お互い腰も足も痛いから、タクシーを呼ぶのが懸命ではないか」と提案してきました。多分私があまりに遅く歩いていたので心配してくれたのでしょう。食事を終えて、店員さんに頼むと10分くらいでタクシーが来て目的地まで連れて行ってくれました。

街について元警官と暖をとるためにカフェでコーヒーを飲んで、また明日!と別れてすぐに薬局で新しいインソールを買いました。足底筋膜炎というのは土踏まずのアーチを支える筋肉の炎症なので、インソールに土踏まずをサポートするものを敷いておけば症状は改善されるのですが、あまりいいものがなく。

この日の宿はこちら。

Albergue Porta Santa – Camiño Primitivo

私のアルベルゲを選ぶ上での重要ポイント。「新しくて、清潔」な宿でした。私は個室だったのですが、一階の奥が個室で手前にはキッチンがあり、割とうるさいのが玉にキズ。でも洗濯機も乾燥機もあって、すぐ近くにスーパーもあって、便利です。

夕方賑やかになってきたので、キッチンに行ってみると、あの可愛らしいカップル(お久しぶり!)と、アメリカ人のご夫婦がいて、一緒に食事をしました。カップルの方は最初の頃から会ってたのにゆっくり話したことがなくて、この日初めて彼らがハンガリー人だと知って、ちゃんと名前も名乗り合いました。アメリカ人のご婦人の方が、「明日は多分バスでルーゴまで行くわ。30kmも歩ける気がしないから。」と言うので、念のためバスの時間と、バス停の場所を聞いておきました。ご夫婦はルーゴで2泊したらサンティアゴは目指さずに別のカミーノ へ行くと言っていました。みんな何回もいろいろなカミーノ を歩いた人たちで、一同揃ってプリミティボはキツイ!と言っていました。

夜、寝る前にオビエドの友達に今日の天気の中歩くのは本当に精神的に辛かったとメッセージを送りました。私がオビエドを経つ前日、友達のうちの一人でいつもとても寡黙なスペイン人が「カミーノ っていうのは人生の縮図だから。晴れている時もあれば雨の時もある。楽な時もあれば辛い時もある。それを忘れないで」と言ってくれたのを、この日は何度も思い出しました。