サンティアゴ巡礼の道をゆく

2018年5月カミーノ プリミティボ、2018年夏に北の道(イルンからビルバオ)2018年11月サンサルバドル。2019年3月北の道(ビルバオーサンタンデール)。次は何処を歩くか検討中。欧州在住。

北の道 3日目

今までカミーノ の最中は朝ものすごく朝早く目が覚めていました。自然に5時ごろとか。アドレナリンがバンバン出ているんでしょうね。ただこの日は目が覚めたら6時半。しかも目が覚めてからもウトウトしてしまいます。何か調子がおかしいかも、と思い始めたのがこの頃。

 

まあ歩かないとしょうがないので歩き始めます。サラウスの街や朝日が綺麗です。

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サラウスからゲタリアまでは海岸線に沿って進みます。ゲタリアは岬にある街で昨日も遠くから見ることができました。ちなみに、バッグで有名なバレンシアガの創始者の出身の街でもあります。こぢんまりしたビーチがある小さな街ですがやっぱりここも大変綺麗です。バスク地方の小さな町はどこもかしこも本当に美しくて驚かされます。これがアストゥリアスやガリシアの同じ規模の街だったら廃れたり侘しい感じがしたりするのですが。さすがバスク。財政が豊かな感じ。

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ゲタリアで休憩するのはまだ早かったので、パン屋でパンを買って食べながら先を急ぎます。次に目指すのはスマイアという街です。まあ、ここも毎度のことながらアップダウンですが、道が悪くないので結構楽に進みました。そして海も見えます。

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スマイアの街が見えて来ました。遠くから見てもわかります。この街も絶対に綺麗。そしてまた急な下り坂が待ち構えているんでしょうね。

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ここで追いついた女の子がとても辛そうに歩いていたので、大丈夫?と声をかけると、マメが痛い、と言ってました。私もプリミティボの時こんな感じだったな、と思い出しました。

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スマイアではカフェに入って休憩をしました。この時間から少し暑くなってきました。でもここまで割と楽だったので、この後もささっと歩いちゃおうっと思ったのですが、ここからは海を離れて少し内陸に入ります。海が近いことも感じさせない山に囲まれた景色をひたすら歩きます。ちなみにやっぱり上り坂。日陰がなくてじわじわ疲れてきます。

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スペイン人の男の子と少し話しながら歩いて、マドリッドからきたというその子はとても英語が上手で、「僕はマドリッドが好きじゃないんだ。バスクの方が綺麗で好き」と言っていました。この海と山を見せられて、ここを好きにならない人なんていないね、と二人でこの景色を褒め合いました。

本当は時間的にもこのままゴールであるデバまで休まずに行けるはずだったのですが、何だかとっても疲れていてその手前のItziarで休憩をすることにしました。ここにつく手前に猛烈な上り坂をのぼり切らなければなりませんでした。もうこの町、天空の街みたいな感じ。そしてここのカフェでサンドイッチをいただきコーラを飲み元気をチャージしてまた歩き始めます。

ここからは今日上った分を一気におります。一応舗装されているのですがそれでもものすごい傾斜なので平地を歩くよりもゆっくりなスピードでしか降りれません。

下りが始まる前の素晴らしい景色。ずっと見えなかった海が遠くに見えます。あの海を目指しておりて行きます。

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そして突如現れるデバの街。

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ここのアルベルゲは駅舎の中にある面白いアルベルゲなのですが、私はもちろん泊まらず。でも街はバカンスシーズンのため宿がどこもなくて、3ベットルームで180ユーロとかいうリゾートマンションくらいしか事前に見つけられなかったので街から少し離れた海沿いにあるホテルをとってありました。が、どうやっていくのか・・・。一番近道は車道で脇に歩道がないのです。しょうがないからタクシーを使おうと、カフェに入って飲み物を注文した時にタクシーを頼みたいというと、ウェイトレスが電話番号をくれたのでその人に電話したら「30分でいく!」と言って結局40分できてくれました。

ホテルの女性はフランス語が堪能でとっても助かりました。何でも今日明日とタクシーのストがあるらしくて、電話したら迎えに行ったのにーと言ってました。道理で、カフェの店員さんが、タクシーを頼みたいと私が言った時うろたえたわけです。ホテルは小さなプールが付いていて、とっても眺めが良くて、清潔で、サービス良くて大満足でした。

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ところが、ホテルについてマネージャーと話そうとしたら、声が出ないんです。その夕方にはもう唾液を飲むのも辛いくらい喉が腫れました。完全な風邪です。多分ずっと調子は悪かったんです。原因はボルドーのホテルの強烈な冷房か、長い旅行の疲れか。かれこれ5週間旅行中だったので。カミーノ を歩いている最中も時々、立ちくらみがしたり突然眠くなったりしたりして、私はてっきり低血糖になっているかと思ってドーナツを食べまくっていたのですが、あれも風邪の前兆だったのですね。

ホテルの人が近くのレストランまで車で乗せて行ってくれて、食事が終わったらレストランの人が送ってくれると提案していただいたのですが、早く寝たかったので、なるべく早く食べたい、と言ったらホテルの人が野菜やチーズやキノアの入ったサラダを作って部屋まで運んでくださいました。

そしてさっさと寝たのでした。ぐったり。

 

実は北の道というのはGRー121というトレッキングのルートと大部分共通しています。GRというのはフランス語のgrande randonnéeの略でヨーロッパ全土に色々なルートがあってGR-121もその一つなのですが(だから北の道は歩いていると反対側から人が来ることが良くあって妙に新鮮なのです)、今日私が歩いた道はGR-121とは共通していないようで、GRー121の方が海沿いを歩ける景色の綺麗なルートだと言われています。絶対カミーノ から外れない、という人以外で興味があればぜひ。