第5日目 ラ・メサ〜カストロ 21.10km
本題に入る前に、カミーノ デサンティアゴ友の会のサイトに載っているプリミティボの記述を引用します。
スペインの巡礼路の中でも連日の様にアップダウンがある厳しいルートです。
まさにこれ。しかも1日の中でもかなりのアップダウンを繰り返します。せっかく登ったのにもう降りるの?とか、降りた瞬間また登るの?という精神的にたたみかけるアップダウン。
5日目は前の日に感激した風車の並ぶ高い丘を超えることころから始まります。急な道ですが舗装されている車道で、それが却ってエゲツない勾配を生み出していました。
登ってきた道を振り返ったら景色が綺麗だったのでちょっと救われた気持ちになります。
のろのろ歩いていると(まだ足の指が痛い)いろんな人が抜き去っていきます。スペイン人カップル、スペイン人、そして強面のブラジル人二人組。何故彼らがブラジル人かわかったかというとバックパックに国旗のワッペンが縫い付けてあったから。このシステム(?)いいですね。
この頃になるとすっかり山の上から見える景色の虜になっていました。本当に綺麗です。疲れるけど綺麗。綺麗だけど疲れるし痛い。ギリギリのせめぎ合い。
ここがこの日の最高到達点(多分)。ここからはサリメ湖というダムを目指してひたすら下っていきます。今までは割と細かいアップダウンを繰り返す感じだったので、こんなに一気なくだりは初めて。今までの疲れとかもあってこの下りで膝にくる人も多いとか。
下る前に、さっきのブラジル人二人組が座っています。ひとりの人は靴も靴下も脱いでいて、ちょっと話したら足にまめが出来て痛いとのこと。私もすごく足が痛い、と言って励まし合いました。
」
歩いたのはこんな感じの道。針葉樹です。
これが高いところから見たサリメ湖。山肌に沿った歩道をジグザグに歩いて行くので、なかなか湖に近づかず、それどころか視界から見えなくなったり、迂回させられたりして、焦燥感が精神的疲労に繋がります。
やっと車道までついたところで、後ろからきたアメリカ人の男の子に話しかけられました。日本にも行ったことあるよ!というそのカリフォルニアから来た人と湖の側にあるカフェで休憩をすることにしたら、さっきのブラジル人とかメキシコ人マダム達とか知っている人たちがいて嬉しかったです。
2人で靴も靴下も脱いで、軽食をいただきました。
はっきり言ってこんなにキツイとは思わなかった。と私が愚痴ったら、間違いなく他の全ての人もそう思ってるはず。と言われました。それほどプリミティボは難易度が高かったのです。でも、それを凌駕するくらいの美しい景色が待っているのですが。
湖の畔にはこのホテル/カフェ以外には特にお店などもないので、また歩き始めることにします。
ここからは車道を登ります。そうです、せっかくあんなに降りたのにまた登るんです。この日も暑くて日差しが強くて、日陰のない車道を歩くのは結構辛かったです。Grandas de Salimeという町につく手前で車道を外れて林道(でも上り坂)に入ります。あと少しで町というところで雨が降って来てしまいました。気がつけば、雨が多いとされるアストゥリアスなのに5日目で初めての雨。今まで運がよかったんですね。
Grandas de Salimeのカフェで少し雨宿りをしました。今日目的地のCastroまではあと5キロちょっと。幹線道路と並行する歩道をひたすら歩きました。あまりアップダウンはないけど、かと言って美しい景色という訳ではなく。早く着きたいとばかり考えていました。
この日の宿はこちら。
http://www.casaldeaferreiro.com
アルベルゲではなくて、個人のお宅の一部を改造した小さな田舎のペンションで、ロビーやキッチンなどの調度品がいちいち素敵でした。ここでぼんやり3泊くらいしたい感じ。
部屋はこんな感じ。天窓がついていて、雨が音を立てて降り続いていました。雨の中歩いて来て、温かいシャワーをかけて、温かい部屋にいられるこの幸せ。
このペンションでは夕ご飯を出さないけど、すぐ近くのアルベルゲ(ユースホステル)で夕ご飯を食べられるから早めに行った方がいいと、ペンションの奥さんが教えてくれたので、雨が止んだのをみはからって行って来ました。歩いて3分。
このアルベルゲの女性がとても英語が上手で、すごく気さくでいい人でした。色々あるから好きなものを選んで!と見せてくれたショーケース。
そして山盛りのパスタをサーブしてくれました。これとコーラ2本と明日用のマフィンをふた袋買って10ユーロくらい。良心的〜!
この村にはあまり宿がないので、この手前のGrandas de Salimeに泊まる人が多いのですが、このアルベルゲでいつも朝の早いうちに私を追い抜いていくスペイン人の背の高い男の子を見かけたのでちょっと話しました。
この人とは毎日2回顔を合わせるの。朝追い抜かれて、午後遅く私がやっとつくとさっぱりした格好で寛いでる。
と宿の女性に説明すると
そりゃそうよ。足の長さが違うから!
と言われて3人で大笑い。
この頃になると、顔見知りが増えて、自然と言葉を交わすようになって、ひとりのカミーノ でも全然寂しく思わなくなりました。でも、日本人は全然見かけません。
足は痛いけど、痛いのに慣れてきた感じ。